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技能実習から特定技能へ移行する方法|条件とメリットの解説

技能実習から特定技能へ移行する方法|条件とメリットの解説

特集|コラム|日本での就労に必要な在留資格

日本での長期就労や家族との同居、そしてさらなる昇給を希望する方にとって、現在の「技能実習」から「特定技能」への移行は、自身のキャリアや生活を大きく変える重要な機会となります。
また2024年6月に成立した新たな制度によってこれまでの技能実習制度は廃止され、数年以内に「育成就労制度」という新しい仕組みに生まれ変わります。この変化は、皆さんにとって「より自由で、より明るいキャリア」を築くための追い風となります。
本ページでは、特定技能への切り替えを検討している皆さんが知っておくべき情報を、公的なデータに基づき詳しく解説します。


1.技能実習と特定技能の制度比較

日本での生活に慣れてきた皆さんが次に目指すべきステップ、それが在留資格「特定技能」です。技能実習と特定技能では、日本に滞在する目的や求められる技術水準、認められる自由度が大きく異なります。まずはその違いについて正しく理解しましょう。

各制度の目的と基本構造の違い

技能実習、特定技能1号、そして熟練者向けの特定技能2号を比較した表が以下です。

比較項目

技能実習(現行)

特定技能1号

特定技能2号

主な目的

技能移転(国際貢献)

労働力不足の解消

労働力不足の解消

技能水準

未経験からの習得

相当程度の知識・経験

熟練した技能(リーダー級)

在留期間

最長5年

通算5年

更新制限なし(永住への道)

家族帯同

不可

原則不可

可能(配偶者・子

転職(転籍)

原則不可

同一職種内で可能

同一職種内で可能

日本語能力

入国時は不問(一部の職種で例外あり)

JLPTN4以上/JFT-Basic(A2以上)合格 (分野により例外あり)

試験での確認は不要

支援義務

監理団体による指導

登録支援機関等による支援

不要(企業の任意)

技能実習は「学びに行く」制度ですが、特定技能は「即戦力」としての労働を前提としています。2023年の制度改正により、幅広い分野で「特定技能2号」へのステップアップが可能になりました(1)。これにより、今の仕事でスキルを磨きながら、将来は日本に腰を据えて長く活躍するという、安定したキャリアを同じ会社で描き続けることができます。

給料、滞在期間、できる仕事の違い

技能実習生から特定技能に移行すると、具体的に生活がどのように変わるのでしょうか。

  1. 給料のアップ:
    技能実習生は地域の最低賃金に近い給料であることが多いですが、特定技能は「同じ仕事をする日本人の報酬額と同等以上」の給料を支払うことが会社に義務付けられています(2)。また、経験を積むことで昇給やボーナスの対象になることも増えます。

  2. 滞在期間の延長:
    技能実習は5年で一度帰国しなければなりませんが、特定技能1号へ進むことで、合計10年日本に滞在することが可能になります。さらに特定技能2号に進むことで、期間の制限なく日本で働き続けることができます(3)。

  3. 仕事内容の変化:
    技能実習生のときは「決められた作業」を繰り返すことが多いですが、特定技能になると、より難しい仕事や、現場の管理・指導といった責任ある仕事を任されるようになります。

2.新制度「育成就労」と今後のキャリアパス

2024年6月の改正法成立により、従来の「技能実習制度」は廃止され、新たに「育成就労制度」へと生まれ変わります(4)(5)。これは、日本で働きながらスキルを身につけ、その先の「特定技能」へとスムーズに進めるよう設計された仕組みです。日々の頑張りが安定した生活やキャリアアップに直結するため、日本で成長したいと願う皆さんが、より安心して挑戦できる環境が整います。

「育成就労」と「技能実習」制度の違い

新制度「育成就労」の最大の特徴は、最初から「特定技能」へのステップアップを支援する仕組みになっている点です。これまでは仕事の内容が変わることもありましたが、新制度では今の経験をそのまま次のステップへ活かせるようになります。日本でのキャリアを途切らせることなく、同じ分野で長く、安定して活躍したいと願う皆さんが、迷わず挑戦できる環境が整います。

新制度「育成就労」のポイント

 ・特定技能への一本道
育成就労の在留期間(原則3年間)が終わったとき、スムーズに特定技能1号へ切り替えられるように、会社が皆さんの成長をサポートすることが義務付けられます。

 ・日本語能力の重視
日本で長く、安全に暮らすために、日本語の勉強をしっかり行うことがこれまで以上に推奨されます。

3.技能実習から特定技能へ移行するための3つの要件

現行の技能実習生を特定技能1号へ移行するためには、以下の3点を満たす必要があります。

要件① 技能実習2号・3号の「良好な修了」

技能実習生が「特定技能1号」へ移行するためには、技能実習2号または3号を「良好に修了」していることが必須条件です。この「良好な修了」と認められるには、以下の要件を満たす必要があります(3)。

・修了期間の要件
技能実習(1号から2号)を計2年10ヶ月以上修了していること。
※実習計画を途中で中断し、特定技能へ変更することは認められません。

・技能水準の証明(いずれか一方で可)

 ○技能検定3級、またはこれに相当する技能実習評価試験(実技)に合格していること。

 ○実習実施者(受け入れ企業)が作成した「技能実習生に関する評価調書」により、技能習得が良好であると証明されること。
 ※評価調書は、申請内容によって提出を省略できる場合があります。

要件② 職種と特定技能分野の関連性

技能実習で従事した職種と、移行先の特定技能の分野が「関連性」を有している必要があります。出入国在留管理庁が公開している「対応表」に基づき、技能実習での「職種・作業」と、特定技能の「業務区分」が一致している必要があります。

要件③ 技能試験および日本語試験の免除条件

技能実習2号(3年間)を良好に修了している場合、「関連性のある職種」への移行であれば、日本語試験と技能試験の両方が免除されます。 これは、日本での3年間の実務経験が、試験合格と同等の価値があるとみなされるためです。この免除規定こそが、移行スキームが選ばれる最大の理由です。


4.移行手続きの流れと必要書類

現在の在留期限の4〜5ヶ月前から準備を始めるのが、スムーズに移行を完了させるための鉄則です。

申請から許可までの5ステップ

  1. 雇用契約の締結
    特定技能としての新しい労働条件を確認し、会社と契約を結びます。

  2. 事前ガイダンスの受講と健康診断
    日本での働き方について対面や事前ガイダンスを受けます。また、指定された項目の健康診断を受診します。

  3. 支援計画の確認
    生活のオリエンテーションや相談窓口など、皆さんが日本で安心して暮らすための「10項目の支援内容」をチェックします。

  4. 在留資格の変更申請
    出入国在留管理局(入管)へ書類を提出し、在留資格を「特定技能」に切り替えるための申請を行います。

  5. 新しい在留カードの受け取り
    許可が下りれば、新しい在留カードを受け取ることができます。これで「特定技能」としての就労がスタートします。

自分で用意する書類と会社が準備する書類

特定技能への移行手続きは非常に煩雑なため、勤務先の担当者や「登録支援機関」と協力して進めることが成功の鍵です。

  • 自分で準備する書類

    ○在留カードの写し
    ○パスポートの写し
    ○履歴書(学歴や職歴を正確に記載したもの)
    ○技能実習2号(または3号)の修了証書(または評価調書)
    ○健康診断の受診結果(指定された受診項目を満たしているもの)

  • 受入れ企業(または登録支援機関)が準備する書類
    特定技能雇用契約書(給与、休日、労働時間などの諸条件が明記されたもの)
    ○1号特定技能外国人支援計画書(日本での生活や仕事をどのようにサポートするかをまとめた公的文書)
    ○企業の財務/納税に関する証明書(会社が安定して運営されていることを証明する書類)

在留期限が迫る場合の特例措置(特定活動)の活用

「特定技能1号」への移行を希望しているものの、書類の準備に時間を要し在留期限が迫っている場合に備え、入管庁は「特定活動(6ヶ月・就労可)」への変更を認めています(6)。2024年1月より、付与される期間は従来の4ヶ月から6ヶ月へと延長されました。これにより、就労を継続しながら余裕を持った切り替え手続きが可能です。
ただし、この措置を利用するには「技能試験および日本語試験に合格済みであること(または技能実習2号等の良好修了者であること)」が必須要件となります。


5.切り替えによるメリットと考慮すべき点

「特定技能」への移行は、日本での就労における権利が拡大する一方で、プロフェッショナルとしての役割も期待される重要なステップです。

給料の向上と長期滞在の可能性

特定技能の最大のメリットは、将来の選択肢が広がることです。

  • 賃金体系の適正化
    日本人と同等の賃金体系が適用されます。同一労働同一賃金の原則に基づき、技能や経験に応じた正当な報酬を受け取ることが可能です。

  • 長期滞在と家族帯同(特定技能2号)
    特定技能2号への進級により、在留期間の更新制限がなくなります。また、要件を満たすことで配偶者や子を日本に呼び寄せる「家族帯同」が認められるようになり、日本での長期的な生活設計が可能となります。

業務上の役割と求められるスキルの変化

特定技能への移行後は、技能実習生としての「学び」の段階から、現場を支える「即戦力」としての活躍が求められます。

・技能の高度化と後進の育成
より高度な業務に従事するだけでなく、現場において技能実習生等へ指導・助言を行うリーダーシップが期待される場面も増えます。

高度なコミュニケーション能力
業務指示の正確な理解に加え、現場での円滑な連携や自らの意見を適切に伝えるための、より実践的な日本語能力が不可欠となります。

・自律した生活管理能力
日本社会の一員として、各種法令の遵守、健康管理、および適切な金銭管理を行い、自立して生活を営むことがこれまで以上に重要視されます。

6.よくあるトラブルと対策

「特定技能」への移行手続きにおいて、書類の不備や確認不足は在留資格の不許可や、日本での就労継続が困難になる恐れがあります。円滑な移行を実現するために、特に以下の重要事項を確認してください。

母国のルールや一時帰国の手続き

特定技能には、国ごとに独自のルールがあります。国ごとに異なる「二国間取決め(MOC)」に基づく独自の手続きが存在します(7)。これを忘れると、自分の国に帰ったときに日本に戻って来られなくなる可能性があります。

・ベトナムの方:DOLAB(海外労働局)による推薦者リストへの登録
ベトナム国籍の方は、DOLABの「推薦者リスト」に掲載され、承認を受ける必要があります。このリストに登録されていない場合は、特定技能として就労を開始することができません。

・フィリピンの方:DMW(旧POEA)への登録と契約書の公証
フィリピン国籍の方は、政府機関であるDMWへの登録が必要です。また、雇用契約書についてMWO(駐日フィリピン大使館労働部)による認証・公証手続きを行う必要があります。

・インドネシアの方:「SISKOP2MI」への登録
インドネシア政府の管理システム「SISKOP2MI」への登録が必須です。この登録を完了させずに一時帰国をした場合、現地の空港で日本への再入国が拒否される事案が発生しています。休暇等で帰国する前に、必ず登録状況を確認してください。

困ったときの相談先とサポート体制

就労条件や人間関係などでトラブルが生じた際は、まず母国語でのサポートが義務付けられている「登録支援機関」へ相談してください。また、これまでの状況を把握している「監理団体」や、母国の「送り出し機関」も、適切な助言や支援を行う窓口となります。これらの機関は、皆さんが日本で安心して働くために国から認められた専門の相談先ですので、一人で抱え込まずに速やかに連絡を取ることが重要です。


7.まとめ

技能実習から特定技能への移行は、日本での長期的なキャリアを築くための大きな機会です。一方で、法改正に伴う新制度「育成就労」への移行や、出身国ごとに異なる複雑な手続きなど、正確な知識と対応が求められる場面が増えています。日本での就労を確実なものにするためには、適切なサポートを受けながら、法令を遵守して手続きを進めることが不可欠となります。

CROSSY GLOBALでは、求職者(外国人労働者)向けに特定技能制度や育成就労制度における煩雑な手続きや各種支援業務のサポートまでを視野にいれたサービス※1を展開しています。また、外国人材の活用をご検討中の受け入れ企業様、登録支援機関、監理支援機関、教育機関(送り出し機関)等のビジネスユーザーを対象としたサービス※2もご提供していますので、お気軽にご相談ください。

CROSSY GLOBALは、コンプライアンスを遵守した安全な運用と、ミスマッチのない適切な就労機会の創出を通じて、国境を越えた豊かな社会の実現に貢献します。

 

※1.求職者(外国人労働者)向けポータールサイト https://crossy-global.jobs

※2.事業者(ビジネスユーザー)向けポータールサイト https://crossy-global.biz


8.参照・引用元リスト

本記事は、以下の公認機関による最新の一次情報を基に構成されています。

(1)特定技能2号の対象分野の追加について(令和5年6月9日閣議決定)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/03_00067.html

(2)特定技能制度に関するQ&A
https://www.moj.go.jp/isa/content/930006254.pdf

(3)特定技能ガイドブック
https://www.moj.go.jp/isa/content/930006033.pdf

(4)育成就労制度の制度概要・関係法
https://www.moj.go.jp/isa/03_00163.html

(5)改正法の概要(育成就労制度の創設等)
https://www.moj.go.jp/isa/content/001415280.pdf 

(6)特定技能関係の特定活動(「特定技能1号」への移行を希望する場合)
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/10_00025.html

(7)特定技能に関する二国間の協力覚書
https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri05_00021.html

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