特定技能とは?在留資格の仕組みや技能実習との違い

特集|コラム|日本での就労に必要な在留資格
日本における深刻な人手不足を解消する切り札として注目されている「特定技能」制度。
2019年の創設以来、その対象範囲は拡大を続けており、2027年には新制度「育成就労」の開始も控えています。
本記事では、内閣府所管の公益財団法人であるJITCO(国際人材協力機構)や出入国在留管理庁の資料を基に、特定技能制度の仕組みからメリット、技能実習との違い、そして将来の展望までを網羅的に解説します。
1.特定技能とは?日本で働く「即戦力」のための在留資格
「特定技能」とは、国内の労働力不足が著しい産業分野において、一定の専門性と技能を持つ外国人を受け入れるために2019年4月に創設された在留資格です。この制度の最大の特徴は、入国したその日から現場で活躍できる「即戦力」を求めている点にあります。
人手不足が深刻な「16の特定産業分野」が対象
特定技能の受け入れができるのは、生産性の向上や国内人材確保の努力を行ってもなお、人材確保が困難と認められた「特定産業分野」に限られます。2024年の閣議決定により、現在は以下の16分野が対象となっています。
介護
ビルクリーニング
工業製品製造業(旧:素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業)
建設
造船・舶用工業
自動車整備
航空
宿泊
自動車運送業(新規追加)
鉄道(新規追加)
農業
漁業
飲食料品製造業
外食業
林業(新規追加)
木材産業(新規追加)
これまで対象外だった運送や鉄道、林業などが追加されたことは、日本社会全体での人手不足の深刻さを物語っています。
特別な教育なしで現場を任せられる「即戦力」
従来の「技能実習」が日本での技術習得(教育)を目的としていたのに対し、特定技能は「即戦力としての労働力」を目的としています。そのため、特定技能1号を取得するには、「日本語試験」と各業界が定める「技能試験」に合格し、業務をこなせる能力があることを証明しなければなりません。
2.「特定技能」と「技能実習」の違い:企業と外国人が知っておくべき3つの差
よく混同される「特定技能」と「技能実習」ですが、制度の根幹にある考え方が大きく異なります。
制度の目的の差(国際貢献vs労働力の確保)
・技能実習:日本で学んだ技術を母国に持ち帰り、自国の経済発展に貢献してもらう「国際協力・技術移転」が目的です。建前上、労働力の補填として利用することは禁止されています。
・特定技能:日本の産業を維持するために、足りない「労働力を確保」することが目的です。名実ともに「働き手」としての受け入れとなります。
転職(転籍)の自由度とキャリアの柔軟性
・技能実習:原則として転職(転籍)は認められていません。同じ職場で1〜5年働くことが前提です。
・特定技能:同一分野内(または共通性が認められる業務内)であれば、転職が可能です。外国人本人に職業選択の自由があるため、企業側は「選ばれる職場づくり」が求められます。
給与水準と日本人と同等の待遇面
特定技能制度では、雇用契約において「日本人と同等以上の報酬額」を支払うことが法律で義務付けられています。技能実習では最低賃金に近い給与設定が多く見られましたが、特定技能は経験者・有資格者としての扱いとなるため、より高い給与水準が設定される傾向にあります。

3. 2027年開始予定の「育成就労制度」と特定技能の繋がり
現在、技能実習制度を廃止し、新たに「育成就労制度」を創設する準備が進められています。2027年4月1日施行のこの新制度は、特定技能への移行を前提とした仕組みです。
特定技能1号・2号へのスムーズなステップアップ
育成就労制度は、3年間の就労を通じて、特定技能1号に必要な技能・日本語能力を育成することを目指します。
・育成就労(3年間):未経験からスタートし、育成を受けながら働く。
・特定技能1号:育成就労を修了後、試験合格を経て移行。通算5年。
・特定技能2号:熟練した技能を身につけ、永住も視野に。
これにより、外国人材にとっては「日本で長く働き、キャリアを積む」という道筋が明確になり、企業にとっては「長期的に安定した雇用」が可能になります。

4. 特定技能1号と2号の違いは?家族帯同や在留期間の要件を整理
特定技能には、技能の習熟度に応じて「1号」と「2号」の2段階があります。
項目 | 特定技能1号 | 特手技能2号 |
|---|---|---|
技能水準 | 相当程度の知識・経験(試験で確認) | 熟練した技能(高度な試験で確認) |
在留期間 | 通算5年が上限 | 更新上限なし (3年、1年又は6ヶ月で更新可能、永住権申請も可能) |
家族帯同 | 基本的に不可 | 可能(配偶者、子) |
受け入れ支援 | 10項目の支援義務あり | 支援義務なし |
対象分野 | 16分野すべて | 介護を除く11分野(拡大中) |
特定技能1号:通算5年の上限と企業による支援義務
1号は、日本で働くための基本的な技能を持つ段階です。最大5年まで滞在できますが、企業(または登録支援機関)には、外国人が日本での生活をスムーズに送れるよう、法律で定められた「10項目の支援」を実施する義務があります。
特定技能2号:更新回数の上限なし、家族帯同、永住権への道
2号は、現場のリーダーを任せられるような「熟練した技能」を持つ方向けの資格です。1号との大きな違いは、在留期間の更新回数に制限がない点と、要件を満たした場合に家族と一緒に日本で暮らせる点にあります。長期間日本に定住し、将来的に永住権を取得することも可能です。
5. 特定技能ビザを取得する2つの方法:試験ルートと移行ルート
特定技能の在留資格を得るには、大きく分けて2つの道があります。
ルート①:技能評価試験 + 日本語試験(JFT /JLPT)
新しく海外から来日する場合や、日本にいる留学生が切り替える場合の標準ルートです。
・技能試験:希望する産業分野での就労に必要な専門的な知識や経験を問う試験。
・日本語試験: 「国際交流基金日本語基礎テスト(JFT)」または「日本語能力試験(JLPT)N4以上」の合格が必要です。
ルート②:技能実習2号を良好に修了し無試験で移行
最も多いパターンが、技能実習生からの移行です。
・技能実習2号を良好に修了※1.2.していれば、技能試験および日本語試験が
免除されます。
※1.技能実習を2年10ヶ月以上経過・終了していること。
※2.技能検定3級、もしくは技能実習評価試験(実技)の合格、または実習実施者による技能実習を良好に終了したことを証明する評価調書を取得していること。
実習で培った経験をそのまま活かせるため、企業・本人双方にとってメリットの大きいルートです。
6. 登録支援機関の役割と支援委託のメリット
特定技能1号を受け入れる企業には、非常に手厚い支援が義務付けられています。これを自社で行うのが難しい場合、サポートを代行してくれるのが「登録支援機関」です。
1号外国人に義務付けられている「10項目の支援」とは
企業は以下の支援を必ず実施しなければなりません。
事前ガイダンス: 雇用条件や入国手続きの説明。
出入国時の送迎: 空港への迎えと送り。
住宅確保・生活契約支援: 保証人、銀行口座、携帯電話などの契約補助。
生活オリエンテーション: 日本のルール、マナー、公共機関の使い方の説明。
日本語学習支援: 教室の案内や教材の提供。
相談・苦情対応: 外国語での相談窓口。
日本人との交流支援: 地域行事への参加サポート。
転職支援: 倒産などの際の次の職場探し。
定期的な面談: 3ヶ月に1回以上の状況確認。
行政手続きの同行・補助: 入管や役所の手続き。
自社支援(内製)と登録支援機関への委託、どっちが良い?
・自社支援: 登録支援機関に支払う委託管理費は必要ありませんが、外国語を話せるスタッフの配置や、膨大な書類作成のノウハウが必要です。
・ 委託: 専門知識を持った登録支援機関に支援を委託できるため、コア業務に集中できます。入管法違反のリスクを回避できる点も大きなメリットです。
7. よくある質問
【企業向けFAQ】
Q1. CROSSY GLOBALで特定技能向けの人材を採用は何から着手すれば良いですか?
A1. まずは[ログイン画面(企業向けサイト)]より、貴社のアカウント作成をお願いします。その後、企業情報や求人票を作成いただくと、弊社担当よりサポート機関等のご紹介を含めた具体的な支援を開始いたします。
Q2. どのような候補者が登録されていますか?
A2. 特定技能の資格要件を満たしている方はもちろん、日本語を学習中の方や、日本での就労・生活に強い意欲を持つ候補者が集まっています。
Q3. 対象となる方の国籍は?
A3. 下記17カ国と特定技能に関する二国間の協力覚書書を締結しています。
フィリピン,カンボジア,ネパール,ミャンマー,モンゴル,スリランカ,インドネシア,ベトナム,バングラデシュ,ウズベキスタン,パキスタン,タイ,インド,マレーシア,ラオス,キルギス,タジキスタン。
※CROSSY GLOBALでは、ベトナム、ならびにインドネシア国籍の方を対象にサービスを提供。 (2026年6月現在)
Q4. 採用決定から入国まで、期間はどのくらいかかりますか?
A4. 採用までの期間の目安は、特定技能で約4〜5ヶ月、技能実習では約7〜8ヶ月となります。手続きに時間を要するため、余裕を持った採用計画を立てることをお勧めいたします。
【求職者向けFAQ】
Q1. 特定技能1号に必要な試験は何ですか?
A1. 分野毎の技能試験と日本語試験(JLPT,N4以上 or JFT, A2以上)です。
Q2. 日本で特定技能で働いていますが、現在とは別の職種へ転職することは可能ですか?
A2. 可能です。ただし、転職したい分野の評価試験の合格(証明書)が必要となります。
8. まとめ
特定技能制度は、外国人材を「研修生」としてではなく、日本の産業を支える「即戦力」として迎えるための制度です。2027年の育成就労制度への移行を控え、今後ますます外国人材の活用は不可欠なものとなるでしょう。
制度を正しく理解し、適切な支援を行うことは、企業の成長だけでなく、日本が魅力的な労働市場として選ばれ続けるための第一歩となります。
制度が複雑化し、より質の高い支援が求められる今、システムによる効率的な管理が不可欠です。
CROSSY GLOBALは、特定技能制度における煩雑な手続きや支援業務をテクノロジーで支え、企業と外国人材をつなぐ「安心のプラットフォーム」です。
コンプライアンスを遵守した安全な運用と、ミスマッチのない適切な就労機会の創出を通じて、国境を越えた豊かな社会の実現に貢献します。外国人材の活用をご検討中の企業様も、日本での活躍を夢見る求職者の方も、CROSSY GLOBALへお気軽にご相談ください。
【引用・参考元】